Nature ハイライト
神経科学:性回路を形作る社会行動
Nature 550, 7676
研究室での動物の実験的学習行動のほとんどでは、成績向上に訓練を必要とし、動物が課題を習得するにつれて神経回路と神経集団が変化する。しかし、訓練なしに実行可能な本能行動の回路が経験に影響されるか否かは分かっていなかった。今回D Andersonたちは、相手の雌雄を表現するマウス視床下部の神経集団が、社会的経験の増加に伴って変化することを報告している。飼育ケージに同種の雄または雌を侵入者として入れた場合、経験のない動物では雌雄の神経表現がオーバーラップしているが、マウスの社会的・性的経験が増えるにつれて、性特異的な細胞集団が現れてくる。著者たちは、生得的行動が必ずしも「固定配線」系として機能しているわけではないと結論付けている。
2017年10月19日号の Nature ハイライト
生化学:DNA修復におけるBRCA1の新たな役割
構造生物学:イオンチャネルをクローズアップ
素粒子物理学:反陽子の磁気モーメント
コンピューター科学:量子計算をヒッグス粒子に応用する
ナノスケール材料:膜中の間隙サイズのカチオンによる制御
光学材料:寿命の長い有機蓄光体
神経科学:性回路を形作る社会行動
神経生物学:レット症候群を救済するMeCP2
がん:腫瘍がクロマチン断片を感知する
分子生物学:CRISPRの校正