Nature ハイライト
生物工学:免疫細胞間の相互作用をLIPSTICで標識する
Nature 553, 7689
免疫系における細胞間相互作用を調べるための新規な方法を、G Victoraたちが報告している。彼らがLIPSTIC(Labelling Immune Partnerships by SorTagging Intercellular Contacts)と呼ぶこの方法は、遺伝学的に改変された受容体–リガンド対を使う化学標識付け(タギング)によるもので、この過程には細菌の酵素ソルターゼが関わっている。リガンド–受容体相互作用の履歴は、フローサイトメトリーもしくは顕微鏡法によって検出できるレポータータグの存在によって明らかになる。著者たちはこの方法を使って、T細胞受容体がもはや相互作用に関わっていない非抗原特異的段階で、T細胞と樹状細胞の間で起こる予想外のCD40–CD40L相互作用を観察している。この方法はおそらく、他のin vitroやin vivo系にも応用可能だろう。
2018年1月25日号の Nature ハイライト
神経科学:探索行動と逃避行動の脳による制御
構造生物学:代謝ホルモンの作用機構
天文学:初期宇宙における大質量ブラックホール
応用物理学:立体ディスプレイ
地球科学:地球の核の歴史を明らかにする岩石のプリューム
生物工学:免疫細胞間の相互作用をLIPSTICで標識する
がん:腫瘍は代償を払って治療抵抗性を獲得する
幹細胞:エンハンサークラスターが正常細胞やがん細胞の分化を促進する
ウイルス学:KSHVの構造から得られた、ウイルス複製をストップさせるための手掛かり
酵素機構:酵素ICMTの構造