Nature ハイライト

酵素機構:酵素ICMTの構造

Nature 553, 7689

イソプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(ICMT)は、真核生物が持つ膜内在型の酵素で、RAS GTPアーゼや、それ以外のCAAXタンパク質の露出したプレニルシステイン残基を、小胞体膜でのプロセシングの際にメチル化する。S Longたちは今回、ICMTの結晶構造を、脂質膜に似た環境中でモノボディ阻害剤、補因子、プレニル化基質に似せた脂質分子と複合体を形成した状態で決定した。ICMTの活性部位は細胞質領域から膜内領域へと広がっており、この構造から、酵素が細胞質中のメチル供与体と膜に結合した基質とを近づける仕組みが示される。ICMTの阻害は早老症やがんに対する治療戦略候補であり、構造に関する今回の知見は、小分子の調節因子を合理的に設計するのに役立つだろう。

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