Nature ハイライト
材料科学:マンガンで充電池がパワーアップ
Nature 556, 7700
リチウム(Li)イオン電池には多くの用途があり、特に体積当たりでも重量当たりでも高エネルギー密度を必要とする電気自動車などの用途がある。カソード材料のエネルギー密度を向上させ、ひいてはフルセルのエネルギー密度を向上させる方法の1つは、原子1個につき2個以上の電子を授受できる遷移金属をカソード材料に組み込むことである。ニッケル・マンガン・コバルトカソードではニッケルがこの役割を果たす(Ni2+/Ni4+)が、ニッケルは高価である。G Cederたちは今回、マンガンがダブルレドックス(Mn2+/Mn4+)に関与する2種類のLiリッチカソード材料を開発し、総容量とエネルギー密度を向上させている。今回の成果がさらなる高容量化につながることで、必要なエネルギーが増え続けている携帯型電子機器や電気自動車に対してLiイオン電池が対応できるようになる可能性がある。
2018年4月12日号の Nature ハイライト
材料科学:マンガンで充電池がパワーアップ
海洋科学:小氷期以降の大西洋の鉛直循環の弱化
進化学:脊椎動物のRNAウイルスの進化
構造生物学:細菌の光合成複合体の高分解能構造
構造生物学:胃の酸性化の秘密
量子物理学:ループホールの無いランダム性
植物生物学:乾いた葉からの水分損失を防ぐペプチド
幹細胞:心臓の成長を促す
組織再生:肝臓を再生する細胞は肝臓組織全体に分布している
ウイルス学:ブタでのパンデミックを引き起こしたコウモリ