Nature ハイライト
進化学:脊椎動物のRNAウイルスの進化
Nature 556, 7700
RNAウイルスは、脊椎動物に重要な疾患を引き起こす多様なウイルスからなる1群であるが、研究は主に哺乳類や鳥類のRNAウイルスを中心に行われている。今回Y Zhangたちは、魚類、爬虫類、両生類のRNAウイルスについて調べ、約200の新しい脊椎動物特異的ウイルスを明らかにしている。興味深いことに、インフルエンザウイルス、アレナウイルス、フィロウイルス、ハンタウイルスを含む、哺乳類や鳥類に感染することが知られている全ての脊椎動物特異的ウイルスファミリーが、両生類、爬虫類あるいは魚類でも見られることが分かった。この研究により、RNAウイルスの多様性についての我々の理解が大きく広がり、著者たちは脊椎動物ウイルスの進化は、地質学的タイムスケールに及ぶ脊椎動物宿主の進化を反映していると結論している。
2018年4月12日号の Nature ハイライト
材料科学:マンガンで充電池がパワーアップ
海洋科学:小氷期以降の大西洋の鉛直循環の弱化
進化学:脊椎動物のRNAウイルスの進化
構造生物学:細菌の光合成複合体の高分解能構造
構造生物学:胃の酸性化の秘密
量子物理学:ループホールの無いランダム性
植物生物学:乾いた葉からの水分損失を防ぐペプチド
幹細胞:心臓の成長を促す
組織再生:肝臓を再生する細胞は肝臓組織全体に分布している
ウイルス学:ブタでのパンデミックを引き起こしたコウモリ