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植物生物学:乾いた葉からの水分損失を防ぐペプチド

Nature 556, 7700

気孔の共焦点レーザー顕微鏡画像。CLE25ペプチドは、乾燥ストレスによって根から葉に移動し、最終的に気孔閉鎖を誘導する。
気孔の共焦点レーザー顕微鏡画像。CLE25ペプチドは、乾燥ストレスによって根から葉に移動し、最終的に気孔閉鎖を誘導する。 | 拡大する

Credit: Fernan Federici/Getty

植物の根は水分不足を感知し、植物体の他の部分へその情報を伝えなければならない。このような脱水シグナルに応じて、植物ホルモンのアブシジン酸(ABA)が葉で蓄積し、蒸散による水分損失を防ぐために気孔開閉を制御する。今回、水分欠乏条件下において根から地上部へシグナルを伝達する分子を探して、高橋史憲(理化学研究所)たちはCLE25と呼ばれるペプチドを特定した。彼らは、この分子は脱水ストレスに応答して、根から維管束を介してシュートへと移動し、そこでBAM受容体と結合し、ABAの発現を調節して気孔を閉鎖させることを報告している。

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