Nature ハイライト
ウイルス学:ブタでのパンデミックを引き起こしたコウモリ
Nature 556, 7700
2017年、中国で数千頭のブタが新たなウイルスに感染し、下痢と嘔吐を起こして、最終的に死に至った。Z Shiたちは今回、ブタ急性下痢症候群コロナウイルス(SADS-CoV)と名付けたこの新たなコロナウイルスの起源を追跡し、コウモリにたどり着いた。彼らは、キクガシラコウモリ属(Rhinolophus)のコウモリ種(SARS関連コロナウイルスの自然界の保有宿主でもある)が、ブタから単離された新たなウイルスと96~98%のゲノム塩基配列同一性を持つ非常に近縁のウイルスを保有することを見いだした。この研究は、このウイルスの最も可能性の高い出現過程について詳細に説明し、コウモリが保有するウイルスの多様性を理解する必要をはっきりと示した。
2018年4月12日号の Nature ハイライト
材料科学:マンガンで充電池がパワーアップ
海洋科学:小氷期以降の大西洋の鉛直循環の弱化
進化学:脊椎動物のRNAウイルスの進化
構造生物学:細菌の光合成複合体の高分解能構造
構造生物学:胃の酸性化の秘密
量子物理学:ループホールの無いランダム性
植物生物学:乾いた葉からの水分損失を防ぐペプチド
幹細胞:心臓の成長を促す
組織再生:肝臓を再生する細胞は肝臓組織全体に分布している
ウイルス学:ブタでのパンデミックを引き起こしたコウモリ