Nature ハイライト
医学研究:PIK3CAの阻害によりPROSの症状が改善する
Nature 558, 7711
CLOVES症候群をはじめとするPIK3CA関連過成長症候群(PROS)は、PIK3CAの機能獲得変異の体細胞モザイクによって引き起こされる。現在この疾患には良い治療選択肢が存在しない。今回著者たちは、このヒト疾患を部分的に再現するマウスモデルを開発し、PIK3CA阻害剤であるBYL719による治療が、諸症状を効果的に改善できることを明らかにしている。成人と小児のCLOVES患者計19人に、コンパッショネート・ユースによってBYL719を投与したところ、かなりの症状改善が見られた。マウスと臨床で得られたこれらのデータは、PIK3CAの阻害がこの疾患の有効な治療法になる可能性を示唆しており、さらに臨床研究を進めるに値することが示された。
2018年6月28日号の Nature ハイライト
医学研究:PIK3CAの阻害によりPROSの症状が改善する
構造生物学:Gタンパク質、リガンドと受容体が作る複合体の構造
天文学:エンセラダスの氷殻下の海から放出される大きな分子
量子ナノ科学:直立した色素分子
化学:遠隔C–Hのエナンチオ選択的官能基化
惑星科学:火星の初期の急速な地殻形成
神経科学:逃げるかどうかを決めるのは
微生物学:微生物に見つかった新しいロドプシン
医学研究:膵臓がんにおける組織消耗を理解する
生化学:viperinは新しい塩基を作り出す
分子生物学:サイレンシングには協働が不可欠