Nature ハイライト
分子生物学:サイレンシングには協働が不可欠
Nature 558, 7711
ヒストンの修飾状態は正のフィードバックによって維持され得るが、このフィードバックは他の入力の存在なしには弱過ぎてエピジェネティックな遺伝を仲介できないことが示されている。今回D Moazedたちは、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)において、ヒストンH3K9メチル化が、単独では遺伝子のサイレンシングを維持できないが、短鎖干渉RNA(siRNA)と相乗的に機能することで、有糸細胞分裂や減数細胞分裂が多数回起こっても遺伝子のサイレンシングを持続させることを示している。このsiRNA依存的なエピジェネティックな遺伝機構はDNA塩基配列とは独立に機能できる。この新たに登場したモデルでは、安定した遺伝を確実なものにするには、ヒストン修飾は、siRNAあるいは部位特異的DNA結合タンパク質のような特異性因子と共役しなければならない。
2018年6月28日号の Nature ハイライト
医学研究:PIK3CAの阻害によりPROSの症状が改善する
構造生物学:Gタンパク質、リガンドと受容体が作る複合体の構造
天文学:エンセラダスの氷殻下の海から放出される大きな分子
量子ナノ科学:直立した色素分子
化学:遠隔C–Hのエナンチオ選択的官能基化
惑星科学:火星の初期の急速な地殻形成
神経科学:逃げるかどうかを決めるのは
微生物学:微生物に見つかった新しいロドプシン
医学研究:膵臓がんにおける組織消耗を理解する
生化学:viperinは新しい塩基を作り出す
分子生物学:サイレンシングには協働が不可欠