Nature ハイライト
がん:ヒト膵臓がんの進化の流れ
Nature 561, 7722
C Iacobuzio-Donahueたちは今回、同一患者の膵臓から採取した複数の病変を調べ、ヒト膵臓がんが進化していく様子を描き出した。彼らの見いだした多段階プログレッションモデルでは、まず創始となるクローンが膵管系全体に広がり、異なる部位で1つもしくは複数の前がん病変を生じさせる。そして、こうしたクローンがドライバー遺伝子変異をさらに獲得していくことで、浸潤性の膵臓がんとなる。単一の新生物から空間的、遺伝的に不均一な病変が生じるこの過程は、長い年月を要すると推測された。
2018年9月13日号の Nature ハイライト
生理学:RANKLで作ったり壊したり
がん:ヒト膵臓がんの進化の流れ
素粒子物理学:進歩する反物質研究
物性物理学:スピンの長距離輸送にスピンホール効果が役立つ
材料科学:三次元印刷による階層的構造体の形成
環境科学:海水準上昇が沿岸湿地に及ぼす影響
幹細胞:皮膚再生のための再プログラム化
植物科学:わずかな違いがシグナル伝達の大きな違いにつながる
免疫学:STINGとPINK1は協働して体温を上昇させる
分子生物学:翻訳と同時に起こる複合体組み立て