Nature ハイライト
Cover Story:親の導き:イチゴヤドクガエルでは刷り込みが種分化につながる
Nature 574, 7776
表紙のカエルはイチゴヤドクガエル(Oophaga pumilio)で、中米に生息し、さまざまな皮膚色を示すことが知られている。今回Y Yangたちは、イチゴヤドクガエルにおいて、母親の影響が、子の配偶相手の選り好みや競争をどのように形作るのか、そしてこれがいかにして新たな種の形成を駆動し得るのかについて明らかにしている。刷り込みでは、子は親から形質を学び、これは後に、行動の形成に役立つ。著者たちは、イチゴヤドクガエルの雌の子は、母と色が同じ雄の個体との交配を選ぶことを見いだした。同様に、雄の子は母と色が同じ雄に対してより攻撃的だった。著者たちが示唆する総合的な結果は、こうした刷り込みによって、分岐的な交配形質の多様性を有する個体間の遺伝子流動が低下するため、それが性選択によって種分化が生じる準備となるということである。
2019年10月3日号の Nature ハイライト
病原体:明らかになったペスト受容体
代謝疾患:2型糖尿病治療のためのデザイナーサイトカインIC7Fc
物性物理学:Sr2RuO4の超伝導の再検討
物性物理学:100 Kを超える温度での励起子のボース・アインシュタイン凝縮
合成:アジド合成を容易に
漁業:海洋漁業における微量栄養素含有量のマッピング
神経科学:一日の時間帯に応じた色の好み
発生生物学:in vitroでの器官間の相互作用
微生物学:新生児のマイクロバイオームには分娩様式が影響する
構造生物学:ヘリオロドプシンの構造から得られた知見