Nature ハイライト
古生物学:ゴンドワナテリウム類の初めての骨格化石
Nature 581, 7809
ゴンドワナテリウム類は、主に顎や歯の断片的な化石からのみ知られる中生代哺乳類の一群で、南半球の大陸で発見されている。最も有名なものはVintanaで、マダガスカルで発見された白亜紀の頭蓋標本で知られる。今回、同じくマダガスカルで白亜紀の別の化石が、頭蓋のみではなく全身骨格として発見された。その頭蓋には丈夫で粉砕に適した歯列があり、全身の外観はアナグマに似ているがサイズはオポッサムほどだったと考えられる。系統発生学的解析からは、この極めて特異な生物が多丘歯類の近くに位置付けられた。多丘歯類は、その大半が北半球の大陸で見つかっている齧歯類様の哺乳類で、成功を収めたが始新世に絶滅している。
2020年5月28日号の Nature ハイライト
天文学:近傍宇宙のバリオン量の測定
原子物理学:放射性分子を上手に使う分光法
材料科学:ナトリウム系のプラズモニクス
ナノスケール材料:興味深い高指数ファセットの成長
材料科学:効率がほぼ100%の光触媒的水分解
古生物学:ゴンドワナテリウム類の初めての骨格化石
神経科学:患者の鼻で意識の有無を嗅ぎ分ける
疫学:軽症SARS-CoV-2感染症でのウイルス排出
微生物学:腸ウイロームの構築
免疫学:腸において胆汁酸が仲介する制御性T細胞の分化
分子生物学:ヘテロマー複合体の進化