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古生物学:ゴンドワナテリウム類の初めての骨格化石

Nature 581, 7809

今回マダガスカルで発見された後期白亜紀のゴンドワナテリウム類<i>Adalatherium hui</i>の想像図。
今回マダガスカルで発見された後期白亜紀のゴンドワナテリウム類Adalatherium huiの想像図。 | 拡大する

Credit: Andrey Atuchin

ゴンドワナテリウム類は、主に顎や歯の断片的な化石からのみ知られる中生代哺乳類の一群で、南半球の大陸で発見されている。最も有名なものはVintanaで、マダガスカルで発見された白亜紀の頭蓋標本で知られる。今回、同じくマダガスカルで白亜紀の別の化石が、頭蓋のみではなく全身骨格として発見された。その頭蓋には丈夫で粉砕に適した歯列があり、全身の外観はアナグマに似ているがサイズはオポッサムほどだったと考えられる。系統発生学的解析からは、この極めて特異な生物が多丘歯類の近くに位置付けられた。多丘歯類は、その大半が北半球の大陸で見つかっている齧歯類様の哺乳類で、成功を収めたが始新世に絶滅している。

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