Nature ハイライト
分子生物学:ヘテロマー複合体の進化
Nature 581, 7809
オリゴマー複合体が進化してきた道筋の解明は難しい問題である。今回J Thorntonたちは、酸素を運搬する脊椎動物ヘモグロビンのヘテロ四量体が出現した道筋のモデルを明らかにしている。再構築した祖先タンパク質を調べることにより、古代のヘモグロビン祖先タンパク質は単量体であって、タンパク質表面の一領域に起こった小さな変化によってこの領域が相互作用部位になり、まず二量体が形成され、さらにヘテロ四量体へと変化したことが示された。そして、この二量体が二量体化したことにより、酸素親和性と協同性が高まったのである。
2020年5月28日号の Nature ハイライト
天文学:近傍宇宙のバリオン量の測定
原子物理学:放射性分子を上手に使う分光法
材料科学:ナトリウム系のプラズモニクス
ナノスケール材料:興味深い高指数ファセットの成長
材料科学:効率がほぼ100%の光触媒的水分解
古生物学:ゴンドワナテリウム類の初めての骨格化石
神経科学:患者の鼻で意識の有無を嗅ぎ分ける
疫学:軽症SARS-CoV-2感染症でのウイルス排出
微生物学:腸ウイロームの構築
免疫学:腸において胆汁酸が仲介する制御性T細胞の分化
分子生物学:ヘテロマー複合体の進化