Nature ハイライト

疫学:軽症SARS-CoV-2感染症でのウイルス排出

Nature 581, 7809

今回、ドイツ・ミュンヘンで起こったCOVID-19感染伝播の連鎖に含まれていた軽症の患者9人について、詳細なウイルス学的解析が行われ、上気道で高度のウイルス複製が検出されたこと、また咽頭からのウイルス排出は発症の1週目に多かったことが示された。C Drostenたちは、発症8日目までは咽頭や肺の検体から感染性ウイルスが容易に単離されたが、喀痰からのウイルスRNA排出は症状が終わってからも持続したことを報告している。軽症患者の上気道でのウイルスの活発な複製と排出が実証されたことは、ウイルスは容易に伝播し、封じ込めが困難であることを示している。

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