Nature ハイライト
疫学:軽症SARS-CoV-2感染症でのウイルス排出
Nature 581, 7809
今回、ドイツ・ミュンヘンで起こったCOVID-19感染伝播の連鎖に含まれていた軽症の患者9人について、詳細なウイルス学的解析が行われ、上気道で高度のウイルス複製が検出されたこと、また咽頭からのウイルス排出は発症の1週目に多かったことが示された。C Drostenたちは、発症8日目までは咽頭や肺の検体から感染性ウイルスが容易に単離されたが、喀痰からのウイルスRNA排出は症状が終わってからも持続したことを報告している。軽症患者の上気道でのウイルスの活発な複製と排出が実証されたことは、ウイルスは容易に伝播し、封じ込めが困難であることを示している。
2020年5月28日号の Nature ハイライト
天文学:近傍宇宙のバリオン量の測定
原子物理学:放射性分子を上手に使う分光法
材料科学:ナトリウム系のプラズモニクス
ナノスケール材料:興味深い高指数ファセットの成長
材料科学:効率がほぼ100%の光触媒的水分解
古生物学:ゴンドワナテリウム類の初めての骨格化石
神経科学:患者の鼻で意識の有無を嗅ぎ分ける
疫学:軽症SARS-CoV-2感染症でのウイルス排出
微生物学:腸ウイロームの構築
免疫学:腸において胆汁酸が仲介する制御性T細胞の分化
分子生物学:ヘテロマー複合体の進化