Nature ハイライト
実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定
Nature 589, 7843
今回CREMAコラボレーションは、ヘリウムイオンの唯一の電子がミューオンに置き換えられたミューオンヘリウムイオンで、2S–2P遷移を測定している。ミューオン原子は通常の原子と同じエネルギー準位構造を示すが、準位のシフトが全て拡大されるため、核の性質を調べる優れたツールになる。著者たちは、今回の新しい測定結果を通して、ヘリウム原子核であるα粒子の電荷半径を決定した。これは、この量について原子分光で得られた初めての測定結果である。得られた値は、電子分光による結果と一致しているが精度は約5倍高く、これによって、標準模型を超える理論により厳しい制約が課された。
2021年1月28日号の Nature ハイライト
実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定
物性物理学:グラフェンにおける相関駆動トポロジカル相
化学:光を用いる炭素と水素の標識化
気候科学:古気候の証拠の解釈の見直しによって示された完新世の長期的な温暖化
生態学:外洋性サメ・エイ類個体群の世界的縮小
植物科学:発生から派生した共生
血液:辛い食物は造血幹細胞の血液への動員に役立つ
創薬:多剤耐性菌に二重の打撃を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2を感染させたK18-hACE2マウスはCOVID-19のさまざまな症状を発症する
生物工学:早老症の塩基編集による治療
構造生物学:アドヒージョン受容体の構造