Nature ハイライト
血液:辛い食物は造血幹細胞の血液への動員に役立つ
Nature 589, 7843
造血幹細胞(HSC)は骨髄に存在していて、骨髄から血液循環中へと移動することができ、移植などの治療目的のHSC採取は血液から行うことができる。P Frenetteたちは今回、HSCの血中への放出が、痛みを感知するニューロン、つまり侵害受容器の制御下にあることを示している。これらのニューロンは、刺激を受けるとHSCを直接刺激して、骨髄から血中への移動を促進する。従ってマウスでは、トウガラシ抽出物であるカプサイシンを食餌に加えることによって、HSCの血中への移動を誘導できる。この研究は、HSCの動員が調節される仕組みについての理解を深め、血液からのHSCの収量を増やす新しい戦略の設計に役立つ可能性がある。
2021年1月28日号の Nature ハイライト
実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定
物性物理学:グラフェンにおける相関駆動トポロジカル相
化学:光を用いる炭素と水素の標識化
気候科学:古気候の証拠の解釈の見直しによって示された完新世の長期的な温暖化
生態学:外洋性サメ・エイ類個体群の世界的縮小
植物科学:発生から派生した共生
血液:辛い食物は造血幹細胞の血液への動員に役立つ
創薬:多剤耐性菌に二重の打撃を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2を感染させたK18-hACE2マウスはCOVID-19のさまざまな症状を発症する
生物工学:早老症の塩基編集による治療
構造生物学:アドヒージョン受容体の構造