Nature ハイライト
気候科学:古気候の証拠の解釈の見直しによって示された完新世の長期的な温暖化
Nature 589, 7843
過去の気候のこれまでの再構築結果は、約6000年前の完新世の中期に温暖化が極大になり、その後、工業時代まで寒冷化したことを示していた。今回S Bovaたちは、海洋記録から得られた証拠を再評価し、それらが年間気温ではなく季節的な気温を示していることを見いだしている。そして著者たちは、補正を用いて、過去1万2000年にわたって年間平均海面水温が温暖化してきたことも示している。この温暖化は、最初は氷床の後退によって、その後は温室効果ガスの増加によって駆動された。現在の気温は、過去1万2000年間で最も高く、約12万5000年前の最終間氷期の気温と同程度である。
2021年1月28日号の Nature ハイライト
実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定
物性物理学:グラフェンにおける相関駆動トポロジカル相
化学:光を用いる炭素と水素の標識化
気候科学:古気候の証拠の解釈の見直しによって示された完新世の長期的な温暖化
生態学:外洋性サメ・エイ類個体群の世界的縮小
植物科学:発生から派生した共生
血液:辛い食物は造血幹細胞の血液への動員に役立つ
創薬:多剤耐性菌に二重の打撃を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2を感染させたK18-hACE2マウスはCOVID-19のさまざまな症状を発症する
生物工学:早老症の塩基編集による治療
構造生物学:アドヒージョン受容体の構造