Nature ハイライト
化学:光を用いる炭素と水素の標識化
Nature 589, 7843
陽電子放射断層撮影法(PET)は、薬剤やトレーサー化合物の活性をin vivoで可視化する広く普及した方法で、腫瘍学、神経変性疾患、創薬において有用である。観察する薬剤やトレーサー化合物には放射性標識を付ける必要がある。しかし、トレーサー化合物の標識化には課題がないわけではなく、例えば、炭素11は半減期がわずか20分と短いため、合成は速やかに行わなければならない。今回D MacMillanたちは、薬剤化合物中によく見られるメチル基に標識を付けた、3H標識化合物と11C標識化合物の両方を合成する光触媒法を報告している。この方法はさまざまな医薬品やPET放射性リガンドについて実証されており、今回の光反応器を自動合成手順に組み込むこともできる。
2021年1月28日号の Nature ハイライト
実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定
物性物理学:グラフェンにおける相関駆動トポロジカル相
化学:光を用いる炭素と水素の標識化
気候科学:古気候の証拠の解釈の見直しによって示された完新世の長期的な温暖化
生態学:外洋性サメ・エイ類個体群の世界的縮小
植物科学:発生から派生した共生
血液:辛い食物は造血幹細胞の血液への動員に役立つ
創薬:多剤耐性菌に二重の打撃を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2を感染させたK18-hACE2マウスはCOVID-19のさまざまな症状を発症する
生物工学:早老症の塩基編集による治療
構造生物学:アドヒージョン受容体の構造