Nature ハイライト
構造生物学:アドヒージョン受容体の構造
Nature 589, 7843
接着(アドヒージョン)に関わるGタンパク質共役受容体(GPCR)群はこの受容体クラスの主要なファミリーだが、構造の詳しい特徴はまだ明らかにされていない。アドヒージョンGPCRは大きな細胞外ドメインや高い定常活性、自己タンパク質分解により切断されることのある領域やシグナル伝達経路の活性化などの点で他のクラスと区別される。今回J Sunたちは、アドヒージョンGPCRであるGPR97について、Goタンパク質との複合体が抗炎症薬ベクロメタゾンと結合した状態の構造を報告している。この研究により、GPR97が活性化とシグナル伝達過程を仲介する仕組みが明らかになり、Goのパルミトイル化が結合に必要であることが分かった。
2021年1月28日号の Nature ハイライト
実験物理学:ミューオンヘリウムにおける精密な核測定
物性物理学:グラフェンにおける相関駆動トポロジカル相
化学:光を用いる炭素と水素の標識化
気候科学:古気候の証拠の解釈の見直しによって示された完新世の長期的な温暖化
生態学:外洋性サメ・エイ類個体群の世界的縮小
植物科学:発生から派生した共生
血液:辛い食物は造血幹細胞の血液への動員に役立つ
創薬:多剤耐性菌に二重の打撃を与える
コロナウイルス:SARS-CoV-2を感染させたK18-hACE2マウスはCOVID-19のさまざまな症状を発症する
生物工学:早老症の塩基編集による治療
構造生物学:アドヒージョン受容体の構造