Nature ハイライト

物性物理学:モアレ超格子における豊富な相関状態

Nature 587, 7833

モアレ超格子のフラットバンドによって、二次元(2D)材料の相関相の研究が可能になる。ねじれ2層グラフェンにおける超伝導や、遷移金属ジカルコゲニド・ヘテロ構造における電子のウィグナー結晶化はその例である。今回K Makたちは、モアレ超格子において、さまざまな程度の量子ゆらぎを伴う分数充填における豊富な相関絶縁状態を報告している。彼らは、新しい光センシング技術を取り入れてこうした相関状態を調べ、分数充填においてストライプ相、電荷密度波相、ウィグナー結晶相が存在すると提案している。今回の結果によって、2D tVモデル、そして長距離電荷–電荷相互作用や交換相互作用を有するスピンモデルなど、モアレ超格子におけるさまざまな多体問題のシミュレーションが促進される可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度