Nature ハイライト

免疫学:N4BP1はTRIFと共役するTLR3やTLR4、およびTNFの下流で機能するサイトカイン産生の負の調節因子である

Nature 587, 7833

Toll様受容体(TLR)は、侵入した微生物の特異的な構成要素を認識し、これらの病原体に対して免疫応答を活性化する。TLRは、下流のアダプターであるMyD88やTRIFと共役し、炎症性サイトカインの放出を刺激して免疫細胞の分化を上方調節するシグナル伝達カスケードを活性化する。A Gitlinたちは今回、NEDD4結合タンパク質1(N4BP1)が、TLR下流のサイトカイン産生に対する負の調節因子であることを明らかにしている。N4BP1の阻害はTLRによる活性化に応答して過剰な炎症を誘導したが、これはMyD88のみを介してシグナルを伝達するTLRだけで見られた。TLR3やTLR4はTRIFと共役した後、N4BP1を不活性化するカスパーゼ-8と共役するため、N4BP1の阻害機能から保護されている。カスパーゼ-8依存的なN4BP1抑制因子の不活化は、TNFがTNFR1に結合する際にも誘導された。筆者たちは、このクロストークが、TNF阻害によって感染のリスクが高まる(感染症は抗TNF薬の合併症として知られる)理由の説明となり得ると示唆している。TNFが中和されると、N4BP1抑制因子はもはや切断されないため、不活性化されることはない。その結果、TRIF非依存的なTLRは阻害されたままとなり、その後の病原体関連分子パターンに対する応答が起こらなくなる。

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