Nature ハイライト
無機化学:カリホルニウムの化学
Nature 599, 7885
超ウランアクチノイド元素は、希少で放射能があるため、その化学的性質の綿密な調査が長く制限されてきた。中でもカリホルニウム(Cf)は、マイクログラム以上の量が入手できる超ウランアクチノイド元素の中で最も重い元素である。今回A Gauntたちは、全2 mgの249Cfから得た、Cf–C結合を有するCf錯体の高難度合成、構造的特性評価、分光学的特性評価について報告している。今回の研究では、カリホルニウム錯体自体の評価、そして特にそのCf–C結合とCf–Cl結合の特性評価と、最新の理論解析を併用することによって、周期表の研究が進んでいない領域における化学結合について基本的理解が深められた。
2021年11月18日号の Nature ハイライト
物性物理学:2つの物質の界面のフォノンの測定
航空宇宙工学:ヨウ素を推進剤にしたエンジン
無機化学:カリホルニウムの化学
気候科学:地表面温度パターンの持続性を変えると予測される気候変動
生理学:メラノコルチン3受容体が栄養の充足を思春期のタイミングと結び付ける
神経科学:宝の地図は眼窩前頭皮質にあり
微生物学:細菌相、胆汁酸、長寿
免疫学:重症疾患に対する有効性を高めたFc最適化抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体
細胞生物学:プロテアソームの核への道のり
分子生物学:RNAを介するトランスポゾン挿入機構
構造生物学:未変性のグリシン受容体はどんな格好なのか