Nature ハイライト
分子生物学:RNAを介するトランスポゾン挿入機構
Nature 599, 7885
トランスポゾンは自身の転位に関与するタンパク質をコードしているが、一部のクラスのトランスポゾンが、これに加えて自身の挿入にRNAにガイドされるCasタンパク質も使っていることが最近明らかになった。M Jinekたちは今回、RNAに結合したCas12kが、トランスポゾンタンパク質であるTnsCの重合体が結合した標的DNAと相互作用している状態の構造を解いている。生化学研究から、Cas12k-ガイドRNAの複合体は標的部位選択を助け、TnsCの重合を開始させることが明らかになった。これによってDNAのリモデリングが起こり、TnsBトランスポザーゼが挿入を仲介できるようになる。
2021年11月18日号の Nature ハイライト
物性物理学:2つの物質の界面のフォノンの測定
航空宇宙工学:ヨウ素を推進剤にしたエンジン
無機化学:カリホルニウムの化学
気候科学:地表面温度パターンの持続性を変えると予測される気候変動
生理学:メラノコルチン3受容体が栄養の充足を思春期のタイミングと結び付ける
神経科学:宝の地図は眼窩前頭皮質にあり
微生物学:細菌相、胆汁酸、長寿
免疫学:重症疾患に対する有効性を高めたFc最適化抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体
細胞生物学:プロテアソームの核への道のり
分子生物学:RNAを介するトランスポゾン挿入機構
構造生物学:未変性のグリシン受容体はどんな格好なのか