Nature ハイライト
構造生物学:未変性のグリシン受容体はどんな格好なのか
Nature 599, 7885
グリシン受容体(GlyR)は脳や脊髄での速い抑制性シグナル伝達に関わる塩素イオンチャネルで、運動を調節している。再構築されたGlyRからすでに多くのことが解明されているが、未変性の受容体は複数のサブユニットで構成されており、それぞれが異なった薬理学的性質、シグナル伝達特性を持っている。今回H ZhuとE Gouauxは、ブタの脊髄と脳幹から直接単離されたGlyRの構造を明らかにしている。ホモマー、ヘテロマーの両方に加えて、部分的に会合したいくつかの複合体種が明らかになり、これらは受容体の集合について調べる手掛かりになりそうだ。またこれらの結果から、GlyRの主な集合形態は、βサブユニット1個に対しαサブユニット4個という形であることが分かった。
2021年11月18日号の Nature ハイライト
物性物理学:2つの物質の界面のフォノンの測定
航空宇宙工学:ヨウ素を推進剤にしたエンジン
無機化学:カリホルニウムの化学
気候科学:地表面温度パターンの持続性を変えると予測される気候変動
生理学:メラノコルチン3受容体が栄養の充足を思春期のタイミングと結び付ける
神経科学:宝の地図は眼窩前頭皮質にあり
微生物学:細菌相、胆汁酸、長寿
免疫学:重症疾患に対する有効性を高めたFc最適化抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体
細胞生物学:プロテアソームの核への道のり
分子生物学:RNAを介するトランスポゾン挿入機構
構造生物学:未変性のグリシン受容体はどんな格好なのか