Nature ハイライト 材料:実用化が近いポラリトロニクス 2008年5月15日 Nature 453, 7193 光-物質相互作用は、半導体微小共振器中でナノメートルスケールで精密に制御できる。半導体材料の励起子と共振器で共振する光子との強い結合によって、半分は光で半分は物質という混合状態の、ポラリトンと呼ばれる準粒子が発生する。エキゾチックなレーザー発振や量子凝縮効果を生じさせるポラリトンの独自の特性が、新世代の粒子エミッターや半導体レーザーを生み出す可能性がある。ポラリトンレーザー発振とポラリトンの非線形性は、光学実験で実証されているが、電気的に駆動されたポラリトン発光デバイスが実証されれば、技術的にかなりの注目を集めるだろう。今回このようなデバイスが、235 K(−38℃)という比較的高い温度に維持されたポラリトン状態から直接発光するガリウムヒ素ダイオードで実現された。今回の結果は、今までにない特性をもつ新種の超高効率ポラリトロニック・デバイス実現への重要な一歩であると著者たちは考えている。 2008年5月15日号の Nature ハイライト 物性:熱を帯びる高温超伝導体探し 気象:気候への人間の影響を見つけ出す 細胞:ヌクレオソームのマップ作成 生物物理:ロドプシンの構造 宇宙:衛星の極移動 材料:実用化が近いポラリトロニクス 生理:磁気を感じとる 生理:重金属を集める植物 疫学:代謝プロファイリングでリスクを予測 目次へ戻る