Nature ハイライト 疫学:代謝プロファイリングでリスクを予測 2008年5月15日 Nature 453, 7193 血液中や尿中に存在するさまざまな代謝物の相対的な濃度を分析する代謝プロファイリングは、特定の疾患発症のリスクに食事と生活様式がどのように関与しているかについて、多くを明らかにすることができる。INTERMAP疫学研究に参加した4,000人を超える被検者から得た尿検体のプロファイリングでは、国と国の間で、また各人口集団内で、代謝にかなりの差異があることが示された。人口集団に特徴的な代謝物と、冠動脈性心疾患と脳卒中の主要なリスク因子である血圧のデータとの関連づけが行われ、ギ酸、アラニン、馬尿酸の排泄量が血圧関連マーカーとなることがわかってきた。全体として、今回のデータは、生活様式が代謝を決定する支配的な特性であることを明らかにしている。この研究は、分子疫学へ向けた「メタボローム全体にわたる関連」を調べる手法の基本となるものだ。 2008年5月15日号の Nature ハイライト 物性:熱を帯びる高温超伝導体探し 気象:気候への人間の影響を見つけ出す 細胞:ヌクレオソームのマップ作成 生物物理:ロドプシンの構造 宇宙:衛星の極移動 材料:実用化が近いポラリトロニクス 生理:磁気を感じとる 生理:重金属を集める植物 疫学:代謝プロファイリングでリスクを予測 目次へ戻る