Nature ハイライト 生理:磁気を感じとる 2008年5月15日 Nature 453, 7193 さまざまな種類の動物が地磁気によって定位することは、以前から知られている。問題は、こうした動物たちがどうやっているかだ。いくつかの種では、磁鉄鉱の粒子が磁気感受に使われていることがわかっている。しかし、その他の動物では地磁気による定位に眼が関係しているらしく、そこにはおそらく、光化学反応の磁気による変調が介在しているようだ。しかし、地磁気は比較的微弱であり、そのような変調が何らかの化学系において可能かどうかは不明だった。今回、前田公憲たちは、微弱な磁場によって光化学反応を予測どおり変調できることを示した。このモデル系は完全に人工的なもので、反応温度はかなり低い。しかし、この説の正しさは立証されたわけで、研究者は新たに確信をもって、実際の定位や渡りに用いられているメカニズムを探ることができる。 2008年5月15日号の Nature ハイライト 物性:熱を帯びる高温超伝導体探し 気象:気候への人間の影響を見つけ出す 細胞:ヌクレオソームのマップ作成 生物物理:ロドプシンの構造 宇宙:衛星の極移動 材料:実用化が近いポラリトロニクス 生理:磁気を感じとる 生理:重金属を集める植物 疫学:代謝プロファイリングでリスクを予測 目次へ戻る