Nature ハイライト

遺伝:脳の形成異常につながる遺伝子

Nature 467, 7312

大脳皮質の形成異常に関連する遺伝子座の同定は、遺伝的不均質性や家系構成員数の少なさ、また診断による病態分類が分子レベルの発症機序を反映していないものも存在するため、困難である。今回、全エキソーム配列解読を用いた研究により、これらの障害が克服された。WD repeat domain 62WDR62)遺伝子の劣性突然変異が、小頭症、脳回肥厚症、小脳形成不全(1例のみ)などの、お互いに異なるもののようにみえるさまざまな脳形成異常を引き起こすことがわかった。WDR62は、小頭症の原因遺伝子として知られるほかの遺伝子とは異なり、中心体との関連がみられない。この遺伝子は主に核に局在し、胎生期の神経形成期間中に新皮質で一過性に発現される。

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