Nature ハイライト
社会心理学:寛大さはタイミングの問題
Nature 489, 7416
公共の利益のためには犠牲を払っても構わないと思っている人は多いが、そのような協力的行動の基礎となる認知機構については、ほとんど解明されていない。経済学の領域で行われた実験では、被験者は合理的な自己の利益に基づいて決断すべき事態に際して、協力的に寄与することがよく見られる。今回、我々は直観的に協力する傾向があるのか、それとも利己的な行動をする傾向があるのかが、1回型のゲームと繰り返し型のゲームの両方を含む10組のさまざまな実験を使って調べられた。そして、我々の直観的応答は協力であるらしいが、考える時間がもっとある場合には、自己の利益の論理が集団的行動を押さえ込み、より寛容でなくなることがわかった。
2012年9月20日号の Nature ハイライト
物性:ボースグラス相を調べるよい方法
神経科学:ナトリウムチャネル変異体と自閉症の関連
宇宙:重力レンズでとらえた若い銀河
材料:熱で発電する新材料
気候:午後の雨
社会心理学:寛大さはタイミングの問題
生態:蘚類とトビムシの長い付き合い
脳:注意の中心的領域は脳のどこに?
発生:神経筋接合部からの誤ったシグナル
医学:マラリア抵抗性の遺伝的シグナル
遺伝:低分子RNAを介して受け継がれる生殖系列の不死性