Nature ハイライト
発生:神経筋接合部からの誤ったシグナル
Nature 489, 7416
神経筋接合部の発生については、後シナプス側から研究する場合がほとんどであり、筋の成熟を統御する分子に注目して行われる。今回S Burdenたちは、こうした因子の1つであるLrp4(low-density lipoprotein receptor-related protein 4)が、筋肉側からの逆行性シグナルとしても機能し、前シナプスのニューロン区画の分化を誘導することを報告している。筋萎縮性側索硬化症や、加齢性筋肉減弱症などの神経変性疾患には、このシグナル経路の異常が関与しているのかもしれない。これらの疾患は、運動神経終末が筋肉から分断もしくは退縮することから始まる場合が多い。
2012年9月20日号の Nature ハイライト
物性:ボースグラス相を調べるよい方法
神経科学:ナトリウムチャネル変異体と自閉症の関連
宇宙:重力レンズでとらえた若い銀河
材料:熱で発電する新材料
気候:午後の雨
社会心理学:寛大さはタイミングの問題
生態:蘚類とトビムシの長い付き合い
脳:注意の中心的領域は脳のどこに?
発生:神経筋接合部からの誤ったシグナル
医学:マラリア抵抗性の遺伝的シグナル
遺伝:低分子RNAを介して受け継がれる生殖系列の不死性