Nature ハイライト
医学:マラリア抵抗性の遺伝的シグナル
Nature 489, 7416
西アフリカのガーナで行われた、マラリアの2,645症例と対照の3,050例についての全ゲノム関連解析で、マラリア発症に至る複数の段階のいずれかに影響する可能性のある遺伝的変異が見つかり、2つの新しい遺伝子座が明らかになった。1つ目の遺伝子座は、第1染色体上にあって、赤血球の主要なカルシウムポンプをコードしているATP2B4遺伝子の近傍に存在する。赤血球は、病原性を持つようになった段階のマラリア原虫の宿主細胞である。もう1つは第16染色体上にあって、内皮細胞で発現される密着結合タンパク質をコードするMARVELD3遺伝子の近くに位置している。これらの遺伝的変異は、マラリア進行の重要な段階に影響することで抵抗性をもたらしている可能性があり、抗マラリア治療の標的となるものが見つかるかもしれない。
2012年9月20日号の Nature ハイライト
物性:ボースグラス相を調べるよい方法
神経科学:ナトリウムチャネル変異体と自閉症の関連
宇宙:重力レンズでとらえた若い銀河
材料:熱で発電する新材料
気候:午後の雨
社会心理学:寛大さはタイミングの問題
生態:蘚類とトビムシの長い付き合い
脳:注意の中心的領域は脳のどこに?
発生:神経筋接合部からの誤ったシグナル
医学:マラリア抵抗性の遺伝的シグナル
遺伝:低分子RNAを介して受け継がれる生殖系列の不死性