Nature ハイライト

医学:マラリア抵抗性の遺伝的シグナル

Nature 489, 7416

西アフリカのガーナで行われた、マラリアの2,645症例と対照の3,050例についての全ゲノム関連解析で、マラリア発症に至る複数の段階のいずれかに影響する可能性のある遺伝的変異が見つかり、2つの新しい遺伝子座が明らかになった。1つ目の遺伝子座は、第1染色体上にあって、赤血球の主要なカルシウムポンプをコードしているATP2B4遺伝子の近傍に存在する。赤血球は、病原性を持つようになった段階のマラリア原虫の宿主細胞である。もう1つは第16染色体上にあって、内皮細胞で発現される密着結合タンパク質をコードするMARVELD3遺伝子の近くに位置している。これらの遺伝的変異は、マラリア進行の重要な段階に影響することで抵抗性をもたらしている可能性があり、抗マラリア治療の標的となるものが見つかるかもしれない。

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