Nature ハイライト
工学:長期DNAアーカイブは理にかなう
Nature 494, 7435
今回、合成生物学領域の学際的研究で、DNAを用いたデジタル情報記憶システムが提案され、実証された。デジタル情報の作成はますます高速化しており、それに伴い、デジタルアーカイブのメディアを継続的にメンテナンスする必要が増している。意外なことに、これはDNAの得意分野になりそうである。DNAは安定な高密度情報記憶メディアとなりうるからだ。N Goldmanたちは、画像、テキスト、音声ファイルを含む過去最高量の情報をDNA鎖に符号化する手法を報告している。この手法は、ロバストな誤り訂正が可能であり、効率がよく、スケールアップできる。著者たちは、「DNAアーカイブ」を合成して米国カリフォルニアからドイツに発送した後、DNA配列を決定し、情報を読み取っている。DNA合成コストに現在見られる低減の速さを考慮すると、約50年後にはまれにしかアクセスされなくなると思われるアーカイブの場合、DNAを用いた情報記憶は10年以内に費用対効果がよいものになると予想される。
2013年2月7日号の Nature ハイライト
遺伝:カンジダ菌には半数体もある
構造生物学:IFITタンパク質によるウイルスRNAの認識
宇宙:超新星爆発に先立つ高エネルギー質量放出
工学:磁気を用いた論理の魅力
工学:長期DNAアーカイブは理にかなう
気候:北半球が南半球の退氷に及ぼす影響が確認された
生化学:TMC-1タンパク質による塩の感知
細胞:iPS細胞への免疫応答は起こらない
医学:iPS細胞を使った成人発症型疾患モデル
発生:初期胚中の三次元構造