Nature ハイライト
生化学:TMC-1タンパク質による塩の感知
Nature 494, 7435
苦味、甘味、うま味に対する受容体は同定されているが、塩味と酸味に対する受容体はまだ確定していない。今回W Schaferたちは、膜タンパク質TMC-1が線虫(Caenorhabditis elegans)の塩回避行動に必要であることを見いだし、TMC-1がin vitroで塩化ナトリウムにより直接活性化されるイオンチャネルとして機能することを明らかにした。TMC-1のヒトホモログは難聴と関連しており、今回の研究によって、TMC-1は長年探し求められてきた蝸牛有毛細胞の機械的シグナル伝達チャネルの有望な候補となった。哺乳類には機能が未知のTMCタンパク質が複数存在し、これらのうちの1つあるいは複数が、触覚や塩味などの感覚シグナル伝達過程に関与している可能性がある。
2013年2月7日号の Nature ハイライト
遺伝:カンジダ菌には半数体もある
構造生物学:IFITタンパク質によるウイルスRNAの認識
宇宙:超新星爆発に先立つ高エネルギー質量放出
工学:磁気を用いた論理の魅力
工学:長期DNAアーカイブは理にかなう
気候:北半球が南半球の退氷に及ぼす影響が確認された
生化学:TMC-1タンパク質による塩の感知
細胞:iPS細胞への免疫応答は起こらない
医学:iPS細胞を使った成人発症型疾患モデル
発生:初期胚中の三次元構造