Nature ハイライト
気候:北半球が南半球の退氷に及ぼす影響が確認された
Nature 494, 7435
地球の運動と気候との関係を説明するために提唱されたミランコビッチ理論では、氷期サイクルが根本的には北半球の夏季の日射量(太陽光線の露光量)の変動によって制御されていると考えている。古気候記録のスペクトル解析はこの理論を裏付けているが、その機構の検証は困難であった。ほかのさまざまな証拠も、南半球の気候変化が北半球の気候変化を導いてきた可能性を示しており、ミランコビッチ理論に疑問を投げかけている。今回F Heたちは、大気海洋結合モデルを用いて、最終退氷期のきっかけが北半球の日射量の変化であることは確実で、アルベド、CO2、海洋循環の変化によってその影響が増幅されたことを示している。
2013年2月7日号の Nature ハイライト
遺伝:カンジダ菌には半数体もある
構造生物学:IFITタンパク質によるウイルスRNAの認識
宇宙:超新星爆発に先立つ高エネルギー質量放出
工学:磁気を用いた論理の魅力
工学:長期DNAアーカイブは理にかなう
気候:北半球が南半球の退氷に及ぼす影響が確認された
生化学:TMC-1タンパク質による塩の感知
細胞:iPS細胞への免疫応答は起こらない
医学:iPS細胞を使った成人発症型疾患モデル
発生:初期胚中の三次元構造