Nature ハイライト
発生:初期胚中の三次元構造
Nature 494, 7435
初期胚における形態形成の重要な段階の1つは原基の陥入で、上皮細胞層の平皿のような構造が陥入して三次元構造を作り、これから複雑な器官が形成される。今回、近藤武史と林茂生(理化学研究所)は、ショウジョウバエの気管原基細胞の上皮陥入を進行させる新規な機構を明らかにした。上皮陥入の加速には、原基中央の細胞が分裂期に球形化することが必要であり、細胞分裂は必要なく、周辺細胞での上皮増殖因子受容体が引き起こすミオシンIIの収縮もこれに協調して働く。著者たちは、細胞の球形化が原因となって上皮が圧力に抵抗できなくなり、陥入が加速されると考えている。
2013年2月7日号の Nature ハイライト
遺伝:カンジダ菌には半数体もある
構造生物学:IFITタンパク質によるウイルスRNAの認識
宇宙:超新星爆発に先立つ高エネルギー質量放出
工学:磁気を用いた論理の魅力
工学:長期DNAアーカイブは理にかなう
気候:北半球が南半球の退氷に及ぼす影響が確認された
生化学:TMC-1タンパク質による塩の感知
細胞:iPS細胞への免疫応答は起こらない
医学:iPS細胞を使った成人発症型疾患モデル
発生:初期胚中の三次元構造