Nature ハイライト
物性:フォトニック・トポロジカル絶縁体
Nature 496, 7444
固体物理学で最も活気づいている分野の1つは、トポロジカル絶縁体の研究である。トポロジカル絶縁体は、その基礎となる電子構造から生じるトポロジカル保護のために無秩序性に対してロバストになっている電子状態に存在する。トポロジカル絶縁体は、散乱を起こさずに電子波を制御し、操作できるため、実用上重要となる可能性がある。特に関心を集めているのは、光に対してトポロジカル絶縁体を作ることができるかどうかという問題である。M Segevたちは今回、その答えはイエスであり、ハニカム格子に配列したらせん導波路からなるフォトニック・トポロジカル絶縁体を初めて実験により実現したことを示している。そのヘリシティは重要であり、ヘリシティによって対称性が破れ、それによってトポロジカル絶縁体の性質が生じる。散乱から保護された一方向のエッジ状態が存在することが、今回示された。
2013年4月11日号の Nature ハイライト
植物科学:分裂組織活性化における栄養素の役割
構造生物学:テロメラーゼの構造を解明
宇宙:土星の環と大気をつなぐ雨
物性:フォトニック・トポロジカル絶縁体
気候:北半球高緯度域の温暖化
気候:河川はどのように基盤岩を通って流れるのか?
生態:タンパク質をリサイクルする海洋古細菌
神経科学:相反する複数の神経入力が不安を生み出す
細胞:多能性はどれほど多能なのか?
構造生物学:MATE薬剤輸送体の構造