Nature ハイライト
神経科学:相反する複数の神経入力が不安を生み出す
Nature 496, 7444
脳の分界条床核(BNST)は、恐怖や不安に関与する領域で、対照的な役割を持つ複数の脳領域に投射しており、その中には報酬反応へ関与する領域などが含まれる。今回2つの論文が、マウスでBNSTの投射に関わるさまざまな小領域の機能特性を明らかにしている。G Stuberたちは、BNSTから腹側被蓋野への投射を調べ、そのうちのグルタミン酸作動性投射路とGABA作動性投射路が、報酬と嫌悪という相反的な作用を担うことを見いだした。K Deisserothたちは、BNST内の複数の小領域が不安の増大と減少を担い、不安のうちの異なる特徴を、それぞれ別の投射路が調節することを明らかにした。この研究から、不安は単一の神経回路から生じるのではなく、不安を生み出す回路と減少させる回路との相互作用から生じることが示唆される。
2013年4月11日号の Nature ハイライト
植物科学:分裂組織活性化における栄養素の役割
構造生物学:テロメラーゼの構造を解明
宇宙:土星の環と大気をつなぐ雨
物性:フォトニック・トポロジカル絶縁体
気候:北半球高緯度域の温暖化
気候:河川はどのように基盤岩を通って流れるのか?
生態:タンパク質をリサイクルする海洋古細菌
神経科学:相反する複数の神経入力が不安を生み出す
細胞:多能性はどれほど多能なのか?
構造生物学:MATE薬剤輸送体の構造