Nature ハイライト
神経科学:場所細胞は航路決定の記憶を保持する
Nature 497, 7447
脳の海馬領域は、ヒトの航路決定に記憶成分を提供する重要な役割を担っている。海馬の場所細胞は、ある運動を完了した後に、同じ順序の発火を時間的に圧縮して行って直前の航路軌跡を「再生」し、これにより航路軌跡を符号化することが以前から知られている。そして、これと同様の順序立って起こる発火が、航路決定の選択をする前の計画過程でも起こっているのではないかと考えられてきた。今回B PfeifferとD Fosterは、開放空間にある多数の餌置き場の中からラットが1つを選んで進んでいく際に、航路決定に先立って場所細胞で空間的軌跡に対応する発火が順序立って起こることを明らかにした。観察された順序立って起こる発火は、その後に起こす行動を予告しており、この結果はゴールに向かう航路選択機構を裏付けるように見える。
2013年5月2日号の Nature ハイライト
がん:子宮がんの再分類
神経科学:場所細胞は航路決定の記憶を保持する
量子物理学:効率的なスピン状態の検出
工学:昆虫からヒントを得たカメラ
進化:離陸への助走、そして着地
神経科学:直接的および間接的な嗅覚入力
細胞:染色体両方向性を確立する新たな機構
遺伝学:IDAXはTET2タンパク質発現を調節する
細胞:酵母の転写産物多様体の量の測定
構造生物学:2種類の活性なアレスチンタンパク質の構造