Nature ハイライト
植物科学:融通の利く硝酸輸送体
Nature 507, 7490
植物が成長するための主要な栄養である硝酸の土壌中濃度は大幅に変化する。従って、植物が環境から硝酸を獲得するには、かなり融通の利く仕組みが必要となる。モデル植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)には2種類の親和性を持つ輸送体NRT1.1があって、広い濃度領域にわたって硝酸を取り込むことができる。これは重要なトレオニン残基のリン酸化状態によって親和性が低い状態から高い状態へと切り替えられるからである。今回、2つの論文で完全長NRT1.1の結晶構造が報告され、こうした翻訳後修飾が輸送体の低親和性状態と高親和性状態とを切り替える仕組みについての手がかりが得られた。
2014年3月6日号の Nature ハイライト
地球:カンラン石の変形
医学:インフルエンザウイルスの進化を把握
植物科学:融通の利く硝酸輸送体
宇宙:星の周りで生まれつつある円盤内の化学構造
オプトメカニクス:新しい観点で電波を見る
材料科学:新しい分子準結晶材料
生態学:老齢林の重要性
神経科学:音声言語の処理には左右の脳半球が関わっている
細胞:再プログラム化による染色体再生
細胞:シトルリン化は多能性調節の鍵である
がん:紫外線は黒色腫の転移を誘導する