Nature ハイライト

宇宙:星の周りで生まれつつある円盤内の化学構造

Nature 507, 7490

原始星に向かって回転しながら落下するエンベロープ(想像図)。
原始星に向かって回転しながら落下するエンベロープ(想像図)。 | 拡大する

Credit: Nami Sakai

おうし座にある若い原始星IRAS 04368+2557は、回転しつつ落下する原始星エンベロープと、その内側にあって、惑星系が生まれると考えられる原始星円盤に囲まれている。坂井南美(東京大学)たちは、原始星エンベロープにシクロプロペニリデン(環状C3H2)が存在し、遠心力バリア付近では一酸化硫黄(SO)の濃度が高くなっていて、この内部で円盤が形成されつつあることを報告している。エンベロープから円盤への遷移領域で明らかにされたこの化学的構造は、これまでのモデルでは予想されておらず、恒星周囲での円盤進化の機構を理解する上で重要な手がかりを与える。

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