Nature ハイライト
宇宙:星の周りで生まれつつある円盤内の化学構造
Nature 507, 7490
おうし座にある若い原始星IRAS 04368+2557は、回転しつつ落下する原始星エンベロープと、その内側にあって、惑星系が生まれると考えられる原始星円盤に囲まれている。坂井南美(東京大学)たちは、原始星エンベロープにシクロプロペニリデン(環状C3H2)が存在し、遠心力バリア付近では一酸化硫黄(SO)の濃度が高くなっていて、この内部で円盤が形成されつつあることを報告している。エンベロープから円盤への遷移領域で明らかにされたこの化学的構造は、これまでのモデルでは予想されておらず、恒星周囲での円盤進化の機構を理解する上で重要な手がかりを与える。
2014年3月6日号の Nature ハイライト
地球:カンラン石の変形
医学:インフルエンザウイルスの進化を把握
植物科学:融通の利く硝酸輸送体
宇宙:星の周りで生まれつつある円盤内の化学構造
オプトメカニクス:新しい観点で電波を見る
材料科学:新しい分子準結晶材料
生態学:老齢林の重要性
神経科学:音声言語の処理には左右の脳半球が関わっている
細胞:再プログラム化による染色体再生
細胞:シトルリン化は多能性調節の鍵である
がん:紫外線は黒色腫の転移を誘導する