Nature ハイライト
生物工学:ヌクレアーゼを使わないゲノムターゲッティングは安全性が高い
Nature 517, 7534
ゲノム編集の治療応用について、現在検討されているものの大半は、部位特異的エンドヌクレアーゼの存在を必要とするが、組織内にエンドヌクレアーゼが制御されていない状態で存在すれば、重大な有害作用を引き起こしかねない。今回、M Kayたちは、ヌクレアーゼを必要としないプロモーターレス組換えアデノ随伴ウイルスを用いたターゲッティングについて報告している。彼らはヒトの凝固第IX因子(F9)遺伝子を、血友病Bマウスの肝臓で発現するアルブミン遺伝子座に挿入した。この手法により、肝細胞のアルブミン対立遺伝子の約0.5%にオンターゲットの挿入が起きた。処置を受けたF9欠失マウスではF9血漿レベルは正常値の7~20%で安定し、その結果、凝固時間が正常範囲内に回復した。
2015年1月15日号の Nature ハイライト
遺伝学:サハラ以南のアフリカにおける遺伝的多様性
惑星科学:コンドリュールの起源
材料化学:疎水性相互作用を調節する固定化イオン
地球化学:地球のウラン同位体循環が明らかに
生物工学:ヌクレアーゼを使わないゲノムターゲッティングは安全性が高い
植物科学:保全農業は有効なのか?
進化学:細菌の長い進化ゲーム
神経科学:中枢神経系の味覚表現
免疫学:HIV-1潜伏感染リザーバーを調べる