Nature ハイライト
遺伝学:変異率変動を解析
Nature 523, 7561
今回L Hurstたちは、変異率がゲノム内でなぜ異なるのかを明らかにするために、シロイヌナズナ(Arabidopsis)、イネ、ミツバチでの変異率のゲノム内変動を、親子の塩基配列を解読することで直接調べた。彼らは、ヘテロ接合や乗り換え現象近傍で変異率が高くなっていることを見いだした。変異は、ホモ接合領域よりもヘテロ接合領域で過度に頻繁に起こっており、変異率は、浄化選択下にある遺伝子クラスター(一般にホモ接合)では低く、平衡選択下にある遺伝子クラスター(ほぼヘテロ接合)で高かった。従って、著者たちは、変異のホットスポットが正の選択や平衡選択下の領域に、またコールドスポットが浄化選択下の領域に対応する可能性の説明には、変異率に対する非常に弱い選択は必要でないかもしれないと示唆している。
2015年7月23日号の Nature ハイライト
計算論的神経科学:嗅内皮質のスピード細胞
構造生物学:ABC輸送体の1つの構造
中枢神経系疾患:外傷性脳損傷でのシス型リン酸化タウによるタウオパチー
太陽物理学:コロナジェット形成の再検討
DNAナノテクノロジー:グラフ理論が切り開くナノスケールの3Dプリンティングへの道
有機化学:キラルアミン合成が容易に
集団遺伝学:ケネウィックマンとは何者か
集団遺伝学:両親の血縁度は子の身長と知性に関連する
遺伝学:変異率変動を解析
植物科学:時間を記録する免疫系
寄生虫学:薬剤スクリーニング用の改変型Cryptosporidium