Nature ハイライト
システム生物学:出芽酵母における細胞サイズの決定
Nature 526, 7572
全ての生細胞の生物学的機構にとって細胞サイズの調節は基本となるものだが、増殖中の細胞が成長と細胞分裂を共役させる分子メカニズムはほとんど分かっていない。J Skotheimたちは出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)を用い、細胞サイズが細胞周期活性化因子Cln3と律速抑制因子Whi5の相対的な差別的サイズ・スケーリングを介して制御されていることを見いだした。Whi5の濃度は、細胞が生まれたときには標準的だが、細胞が成長するにつれて希釈され、細胞分裂を抑制できなくなる閾値以下にまで落ちる。Cln3の濃度は一定に保たれWhi5の閾値を規定している。この抑制因子希釈メカニズムにより幾何学的制約なしに細胞容積を測定でき、これはおそらく後生動物にも適用できるだろう。
2015年10月8日号の Nature ハイライト
疫学:マラリア制圧のための介入策の評価
ウイルス学:SERINC5は天然の抗レトロウイルス薬である
構造生物学:グリシン受容体の作動機序
惑星科学:異彩を放つけんびきょう座AU星のデブリ円盤
量子物理学:2チャネル近藤物理が臨界となる
分析化学:新しい糖分析法
進化論:母親の状態と仔の性比
神経科学:ショウジョウバエ嗅覚系での神経符号化
がん:標的治療中の大腸がんのゲノミクス
システム生物学:出芽酵母における細胞サイズの決定
がん:メディエーターキナーゼ抑制の抗白血病作用