Nature ハイライト
がん:メディエーターキナーゼ抑制の抗白血病作用
Nature 526, 7572
スーパーエンハンサーは、転写因子、メディエーター複合体、クロマチン調節因子が密に結合する大きなエンハンサーで、細胞同一性や疾患に関連する遺伝子の高発現をもたらす。M Shairたちは今回、メディエーター関連キナーゼCDK8の低分子阻害薬が急性骨髄性白血病(AML)細胞の増殖を抑制し、腫瘍抑制や系譜制御機能に結び付くスーパーエンハンサー関連遺伝子の発現上昇をもたらすことを明らかにした。ブロモドメインBRD4阻害薬はAML細胞増殖を抑制するが、スーパーエンハンサー関連遺伝子の発現を低下させることから、このエンハンサーの発現上昇は意外である。従って、AML細胞はスーパーエンハンサー関連遺伝子発現とCDK8抑制の精密な用量に依存しているようである。
2015年10月8日号の Nature ハイライト
疫学:マラリア制圧のための介入策の評価
ウイルス学:SERINC5は天然の抗レトロウイルス薬である
構造生物学:グリシン受容体の作動機序
惑星科学:異彩を放つけんびきょう座AU星のデブリ円盤
量子物理学:2チャネル近藤物理が臨界となる
分析化学:新しい糖分析法
進化論:母親の状態と仔の性比
神経科学:ショウジョウバエ嗅覚系での神経符号化
がん:標的治療中の大腸がんのゲノミクス
システム生物学:出芽酵母における細胞サイズの決定
がん:メディエーターキナーゼ抑制の抗白血病作用