Nature ハイライト
細胞生物学:オートファジーによる幹細胞性の維持
Nature 529, 7584
筋幹細胞の再生能力は加齢とともに低下し、不可逆的な老化状態に至る。P Muñoz-Cánovesたちは今回、老化状態に移行する前のマウス筋幹細胞が、オートファジーに依存する形で可逆的な静止状態へ戻ることで、再生能力を維持していることを明らかにした。骨格筋の幹細胞である衛星細胞の若い細胞でオートファジーを阻害すると、老化状態への移行が促進され、ミトコンドリア機能障害や酸化ストレスの増加が起こる。逆に、老化した衛星細胞でオートファジーを促進すると、老化が逆行し、損傷モデルでは再生能力が回復する。
2016年1月7日号の Nature ハイライト
細胞生物学:オートファジーによる幹細胞性の維持
がん:外因性要因とがんリスク
分子生物学:転写終結の制御
宇宙物理学:ブラックホールに由来する可視光での激しい変動
化学:一酸化炭素の還元を目的とした設計
古生態学:人類の生態学的痕跡
神経科学:シナプス促通に必要なシナプトタグミン7
加齢:年を取っても衰えない
ウイルス学:インフルエンザウイルスの宿主制限に関わる因子
免疫学:広範囲反応性の抗マラリア抗体
がん:IDHに変異のあるグリオーマの性質を調べる