Nature ハイライト
ウイルス学:インフルエンザウイルスの宿主制限に関わる因子
Nature 529, 7584
インフルエンザウイルスの宿主域には制限がある。その原因となる、これまで知られていなかった因子が宿主タンパク質のANP32Aであることを、W Barclayたちが突き止めた。ANP32Aは種間の障壁として作用し、哺乳類細胞での鳥インフルエンザウイルスポリメラーゼの機能を抑えていることが分かった。重要なのは、ウイルスタンパク質PB2にE627Kという変異が生じると、ヒトのANP32ファミリーのタンパク質群が鳥ウイルスポリメラーゼの働きを助けるようになることである。この変異は哺乳類での鳥インフルエンザウイルスの毒性増強に関連することが知られている。
2016年1月7日号の Nature ハイライト
細胞生物学:オートファジーによる幹細胞性の維持
がん:外因性要因とがんリスク
分子生物学:転写終結の制御
宇宙物理学:ブラックホールに由来する可視光での激しい変動
化学:一酸化炭素の還元を目的とした設計
古生態学:人類の生態学的痕跡
神経科学:シナプス促通に必要なシナプトタグミン7
加齢:年を取っても衰えない
ウイルス学:インフルエンザウイルスの宿主制限に関わる因子
免疫学:広範囲反応性の抗マラリア抗体
がん:IDHに変異のあるグリオーマの性質を調べる