Nature ハイライト

分子生物学:転写終結の制御

Nature 529, 7584

RNAポリメラーゼIIのC末端ドメインにある反復配列は、多数の修飾酵素の標的となることが多い。J Greenblattたちは今回、このC末端ドメインにあるアルギニン残基R1810が対称的にジメチル化される(R1810me2s)ことを明らかにし、詳しい解析を行った。R1810me2s修飾を行う酵素はPRMT5で、これはSMN(survival of motor neuron)タンパク質と結合し、またタンパク質のセナタキシンとも間接的に結合する。SMNとセナタキシンのどちらのタンパク質でも、神経変性疾患で変異が見つかっている。著者たちは、RNA Pol IIのR1810me2s修飾が、SMNやセナタキシンの活性と共に、転写の際に生じるRループを解消するための経路の一部を構成していて、この経路がないと転写終結がうまくいかず、遺伝子発現に影響が出ると考えている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度