Nature ハイライト
神経科学:シナプス促通に必要なシナプトタグミン7
Nature 529, 7584
シナプス促通とは、ニューロンが活動依存的に神経伝達物質の放出を動的に調節できるようになる過程で、最初の発見から70年以上がたっている。促通は、最長で数百ミリ秒程度持続する短期的なシナプス増強として現れる。今回W Regehrたちは、シナプトタグミン7が、さまざまな中枢神経系シナプスのシナプス促通に必要とされるカルシウムセンサーであることを示している。以前の研究で、シナプトタグミン7は、非同期放出として知られる神経伝達の遅い相や、放出抑制からのCa2+依存的な回復に役割を持つことが分かっていた。この結果は、ニューロン演算の基本形式である短期シナプス可塑性に関する今後の機能的研究にとって、非常に重要な分子的手掛かりとなるだろう。
2016年1月7日号の Nature ハイライト
細胞生物学:オートファジーによる幹細胞性の維持
がん:外因性要因とがんリスク
分子生物学:転写終結の制御
宇宙物理学:ブラックホールに由来する可視光での激しい変動
化学:一酸化炭素の還元を目的とした設計
古生態学:人類の生態学的痕跡
神経科学:シナプス促通に必要なシナプトタグミン7
加齢:年を取っても衰えない
ウイルス学:インフルエンザウイルスの宿主制限に関わる因子
免疫学:広範囲反応性の抗マラリア抗体
がん:IDHに変異のあるグリオーマの性質を調べる