Nature ハイライト
神経科学:神経発達障害のモデル
Nature 530, 7588
MECP2重複症候群は、MECP2(methyl-CpG binding protein 2)をコードするMECP2遺伝子の余分なコピーによって引き起こされる小児疾患で、自閉症や不安などの症状が現れる。今回Z Qiuたちは、レンチウイルスを用いて、脳でヒトMECP2導入遺伝子を発現するトランスジェニックサルを作製した。MECP2を過剰発現するトランスジェニックサルは、社会的相互作用の変化や不安の増強など、行動の変化を示した。さらに、この導入遺伝子のF1仔への生殖細胞系列伝達が示され、F1仔でも社会的相互作用表現型の変化が見られた。今回の結果は、遺伝子改変非ヒト霊長類を神経発達障害の研究に使用できる可能性を示している。
2016年2月4日号の Nature ハイライト
構造生物学:α-シヌクレインにとっての普通は無秩序状態
ウイルス学:薬物療法の間のHIV-1の存続
がんゲノミクス:髄芽腫のエピゲノミクス
光物理学:束縛電子のサブフェムト秒制御
電気化学:光電気化学的水分解の効率向上に向けて
固体地球科学:ローソン石が不安定断層すべりのきっかけとなるか?
分類学:珍渦虫類の謎を解く
神経科学:神経発達障害のモデル
複雑ネットワーク:老化の秘密は時間の尺度にあり
ウイルス学:アデノ随伴ウイルス感染に欠かせない受容体