Nature ハイライト
ウイルス学:アデノ随伴ウイルス感染に欠かせない受容体
Nature 530, 7588
遺伝子治療への関心は、最近になって再度高まってきている。それは、ウイルスを使って遺伝子を送達する際に、安全性も有効性もずっと高い方法が使えるようになったからであり、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターはその点で特に目立っている。J Caretteたちは今回、AAVが細胞に付着した後に細胞内に侵入するのに不可欠なタンパク質を明らかにした。AAV受容体(AAVR)と名付けられたこのタンパク質は、細胞膜からトランスゴルジ網へと速やかに送られる。アデノ随伴ウイルスはAAVRに直接結合することが示され、AAVR遺伝子を破壊するとさまざまな型の哺乳類細胞やマウスがAAV感染に対して抵抗性となることも分かった。
2016年2月4日号の Nature ハイライト
構造生物学:α-シヌクレインにとっての普通は無秩序状態
ウイルス学:薬物療法の間のHIV-1の存続
がんゲノミクス:髄芽腫のエピゲノミクス
光物理学:束縛電子のサブフェムト秒制御
電気化学:光電気化学的水分解の効率向上に向けて
固体地球科学:ローソン石が不安定断層すべりのきっかけとなるか?
分類学:珍渦虫類の謎を解く
神経科学:神経発達障害のモデル
複雑ネットワーク:老化の秘密は時間の尺度にあり
ウイルス学:アデノ随伴ウイルス感染に欠かせない受容体